アマゾンが物流仲介のシステム(アマゾンフレックス)を開発!運送会社にチャンス到来
アマゾン(Amazon)といえば世界最大の通販サイトです。
売手と買手をつなぐだけではなく、自社でも商品を大量に揃え販売しています。
自社で大規模な倉庫を運営し出荷まで行っているのです。
運送業界の人間にとっては「宅配業者が悲鳴を上げている」というニュースで名前を聞くことの方が多いかもしれません。
それくらい取り扱う荷物の量が多いのです。アマゾンの2015年の物流費は1兆円を超えています。
アマゾンという会社にとって物流は大きな課題となっています。
一般ドライバーへの委託は始まっている
アマゾンといえば注文から納品までの時間が早いことでも知られています。
年会費を払い特別会員になれば注文した当日に自宅に届けてもらうことが可能なケースもあります。当然配送料は無料です。
通常の注文でも翌日には届くことがほとんどです。この場合は一定価格以上で配送料が無料になります。
しかしこの仕組みを維持するためには全国規模の宅配業者が低料金で協力してくれることが大前提です。
日本では佐川急便が手を引いたため、ヤマトが担当しています。
アメリカでも大手の宅配業者がアマゾンの配送を請け負っていますがそれだけでは対応しきれないケースが多いのです。
そこでアマゾンは2016年から一般ドライバーの空いている時間を使って配送してもらうことを始めました。
それが「アマゾンフレックス(Amazon Flex)」というシステムです。
事前に登録したドライバーが自分の空き時間を登録しておくと、急ぎの注文が入ったときに仕事の依頼が来るという仕組みです。
ドライバーとしての登録条件は中型セダン以上の4ドア車を持っていることです。
この仕組みはアメリカ国内でも一部の地域でしか採用されていませんが、やがては拡大していくものと思われます。
当然ですが「アマゾンフレックス(Amazon Flex)」は日本では採用できません。
日本の法律では一般ドライバーが他人の荷物を業として運ぶことは不可能です。
荷主と運送会社の仲介にも進出
さきほど紹介した仕組みはあくまでアマゾンが自社の荷物を配送するための仕組みです。
しかしアマゾンは荷主と運送会社を仲介させるシステムの開発に着手したというニュースが流れてきました。
つまり自社の荷物だけではなく、他社の荷物と運送会社の仲介も行うようになるということです。
日本ではすでに荷主と運送会社を仲介するシステムは運用されていますが利用率は高くはありません。
周知がされていないことや、使い勝手の悪さが原因です。
しかしアマゾンが本格的にこの分野に参入することで普及が早まることは間違いないでしょう。
これは運送会社にとってはチャンスです。
それまで荷主との間に数社が絡むことで、自社の儲けが少なくなっていた問題は解消されます。
また荷物の情報が集約されることで帰りの荷物を見つけやすくなり配車の効率も上がります。
運送業界はシステム化が非常に遅れています。
経営者の年齢層が高く新しいものへの取り組みに二の足を踏んでしまっているのが原因です。
しかし最近のシステムは誰でも簡単に利用できることを考えて開発されています。
使ってみると意外と簡単だったと思うものが多いのです。
このチャンスをぜひ利用するべきです。