物流・輸送・運送・運輸・配送の違いと言葉の意味
物流業界で使用される言葉には似ているものが多く、実際に働いている人でも明確な違いを説明できる人は少ないです。
また辞書に載っている言葉の意味と、業界内で使われる言葉の意味にも微妙な違いがあります。ここではそれらの違いも考慮して分かりやすく説明したいと思います。
言葉同士の関係を簡単に説明すると以下のようになります。
物流>輸送>運送(運輸)>配送
物流という大きな枠組の中に輸送があり、さらにその中に運送や配送があるという考え方です。
しかしこの分類の方法が完全に正しいというわけでもありません。
物流にはヒトを運ぶ意味はありませんので、輸送や運送の方が大きなくくりとして考えられる場合もあります。
ただし輸送や運送は保管や包装を含みませんので、業界的には物流に含まれていると考えるのです。それぞれの意味について以下で詳しく説明します。
物流とは
生産物を生産者から消費者へ引き渡すまでの一連の流れが物流です。物的流通を略した言い方です。
主に輸送・配送の他、保管・荷役・包装・流通加工・物流情報処理があります。
その中でも、輸送・保管・荷役・包装・流通加工は「物流5大機能」と言われています。
「~物流」という社名の場合はトラックだけではなく倉庫や梱包施設を保有している会社であることが多いです。
輸送とは
辞書で調べると「人やモノを運ぶこと」と出てきます。
業界用語としてはトラックだけでなく、船や航空機などで運ぶことも含める場合に用います。
また大量の荷物を長距離運ぶ場合にも「運送」との対比で使用される場合があります。
運送とは
言葉の意味としては旅客・貨物を運ぶことですので輸送とほぼ同じです。
しかし業界用語として使用する場合は主に荷物をトラックで運ぶことを指します。
船や航空機を使用する場合に運送という単語を使用することは少ないです。
運輸とは
旅客・貨物を運ぶことで運送とほぼ同じ意味です。
しかし運輸といった場合は運ぶことだけではなく、産業や仕事の総称としての意味も持ちます。
「運輸業」などと使われたりします。運輸業と言った場合にはその中に物流業が含まれますので、業界での使われ方と異なります。
配送とは
辞書には「配達して送り届けること」と載っています。
実務では短い距離や個人宅や事務所に小口の荷物を送り届ける場合に使われることが多い言葉です。
距離や荷物量で分ける場合に「輸送>運送>配送」という使い分けをする場合もあります。
軽トラックで営業している会社に「○○配送」という名前の会社が多いのはこのためです。
業界用語の細かい違いについて説明してきましたが、企業や地方によっても意味や使われ方が違うということを知っておくと、混乱せずにすみます。