大卒で物流業界(運送会社)に就職したい就活生に知っておいてほしいこと
最近では大手の運送会社やメーカーの物流子会社のように上手くプレゼンをしている会社は最先端でクリーンなイメージが定着しています。
そのため大卒で物流業界に入社する人も増えてきました。
かつての物流業界に新卒で入社する人はほとんどいませんでしたが、90年代あたりから、それほどレベルの高くない大学の学生が入社し始め、2000年代には有名大学の学生も入るようになってきました。
それでも入社前と入社後のギャップが大きく、3年以内に辞めて全く違う業界に転職してしまう人も少なくありません。
そこで今回は大卒で物流業界、なかでも運送会社に就職しようと考えている人のために知っておいてほしいことをまとめました。
トラック、海運、航空を同じ業界と考えてはいけない
職業に貴賎はありませんし、会社をランクづけするのは良いことではありませんが、学生さんはランキングが好きなのでハッキリと書きます。
同じ物流業界と言ってもメインに使う輸送手段によってハッキリとした区分けがあります。
海運の日本郵船と陸運の「○○運送」は同じ業界ではありません。輸送手段ごとに業界をランクづけするなら以下の通りです。
1:海運
2:航空
3:鉄道
4:陸運
「海運会社に就職したいけれど、とりあえずは陸運の会社で経験を積んでから転職しよう」という考えは甘いです。
中小の海運会社であれば転職できるかもしれませんが有名な会社にはほぼ不可能です。
一応は幹部候補生だけど…
大卒で本社採用されると多くの会社では幹部候補生という扱いになります。
地方の支店で現地採用された高卒の学生よりも多少は有利な立場でスタートすることができます。
しかし地方に配属されれば彼らが自分の上司ということになります。
勘違いしている人も多いですが物流業界ではエリートが本社に配属されるとは限りません。花形部署は地方にあることが多いのです。
そういう場所で「自分は本社採用なんだ」というスタンスでいると仕事を教えてもらえなくなるどころか、本社への評価報告は最悪になります。
意外と自分のことは知られていると思ったほうが良いです。社内報に載せられる新卒紹介は隅々まで読まれています。
理不尽なのは当たり前の世界
働いたことのない人の常識ではお金を払うほうが立場が上という考えになりがちです。
しかし物流業界というのは色々な協力業者がいて成り立つ業界です。
とくに繁忙期などは地元の中小企業に協力してもらわなければ仕事が回りません。
そういった企業が必ずしもあなたに頭を下げてくれるとは限りません。
とくに運送会社というのは荒くれ者が多い世界です。「ウチのやりかたが気に入らなければ仕事はやってやらないよ」という会社が多いです。
それ以外にも自分は間違っていないのに頭を下げなければならない場面というのが他の業界以上に多いです。
そういったときに相手を論理的に追い詰めようとするタイプの人には物流は向いていない業界です。
休日も気が休まらない
物流というのは自然災害と道路状況の影響を最も受けやすい業界です。
台風や大雪で予定通りに荷物を届けることが出来ないということも少なくありません。
台風が近づいているときなどは休日でも「次の運送は無事にいくだろうか?」という心配な気持ちになります。
自然災害による遅延に関しては荷主も許してくれる場合がほとんどです。
それよりも心配なのが他の運送に与える影響です。1つの運送がズレると他の運送にも影響を与えますのでその修正が非常に大変なのです。
そういう意味でも心配性の人よりは、少し鈍感なくらいの人の方が向いている業界といえます。