コンサル会社に転職したいという相談を受けることは多いです。
私が物流企業からコンサル会社に転職しているので何らかのマル秘情報を持っているのではと期待されているのかもしれません。
確かにMARCH卒で普通の事業会社に勤務中という私の経歴ではまともなコンサル会社には転職できないはずでした。
それでもちゃんとした会社に入れたのです。それはなぜか?ということを説明したいと思います。
MARCHレベルの学歴から総合系・戦略系のコンサルティングファームに転職したいという方はぜひ参考にしてください。
学歴はMARCH卒、職歴は物流企業
まず、私の経歴を身バレしない程度に説明します。
お伝えしている通り学歴はMARCHクラスの大学です。しかも文系。まともなコンサル会社に新卒で入るには在学中に起業してバイアウトした経験でもなければ無理なレベルでしょう。特に戦略系では書類で落ちるでしょう。
新卒では大手の物流企業に入社しました。その後で同じ業界で転職しています。人事、総務、現場、顧客対応などに携わりました。
日経新聞はおろか専門紙に載るような実績は挙げていませんし、業界で名前が売れていたということもありません。
お分かりだと思いますがこの経歴ではまともなコンサルティング会社に転職するのは不可能です。
転職エージェントからは「厳しい」と言われる
そして20代後半でコンサル会社に転職することを決意します。
最初に転職エージェントを使いました。面談をしてくれて、自分の経歴とコンサル志望ということを伝えました。
しかしその担当者はコンサル会社ではなく、物流企業の経営企画や、メーカーのロジスティクス戦略部門のような仕事ばかり薦めてくるのです。
なので単刀直入に「私の経歴でコンサルティング会社は厳しいのでしょうか?」と聞きました。
すると「絶対に無理ではないですが、厳しいです…」と申し訳なさそうに教えてくれました。
求人情報に騙されかける
総合系や戦略系のコンサルティングファームは厳しいと分かったので物流に特化したコンサルタントの求人を探すことにしました。
「物流コンサルタント」という言葉を耳にしたことがあったのでそれなら行けるだろうと思ったのです。
しかし物流コンサルタントというのは運送会社の営業をカッコ良く言い換えただけのものばかりでした。
飛び込みやテレアポでは応募が集まらないのでコンサルタントという肩書きにしているだけなのです。危うく騙されるところでした。
MARCH卒、無事にコンサルティングファームに内定
リクナビネクストを始め、あらゆる転職サイトを片っ端から検索したのですが、MARCH出身の私が転職できそうな本物のコンサル会社はありませんでした。
そこでダメ元で募集中の総合系や戦略系のコンサルティングファームに応募することにしました。
すると驚くことに面接のお呼びがかかったのです。
そして複数回の面接をして様々な部署の人と会って最終的に数社から内定を貰いました。
その中で最も自分が活躍できそうな会社に入社することにしました。
経営コンサルタントの年収って凄いんだ…
転職活動をするにあたり年収は全くといっていいほど気にしていませんでした。
現状維持か多少は下がっても良いとさえ思っていました。しかし結果として年収はアップしました。
求人サイトに出ていた目安より100万円ほど多かったです。(その理由についてはまたどこかで書きたいと思います)
具体的な数字は守秘義務違反になるので言えませんが、同世代の平均より200万から300万ほど高い金額です。
「経営コンサルタントの年収ってこんなに凄いんだ…、今の自分はそれに見合っているのかな?」と喜びと罪悪感を同時に覚えました。
なぜMARCH卒でもコンサル会社に転職できたのか?
そもそもなぜ私のような経歴でコンサル会社に転職できたのでしょうか?
それには以下のような理由が考えられます。
コンサル会社への転職では学歴が重視されない?
経営コンサルタントというと国内では東大や京大、最低でも早慶レベルの大学を出ていないと厳しいといわれます。
しかしこれは新卒で入社する場合の話です。転職では学歴はそれほど重視されません。実際に入社後の同僚には少数ですがMARCHレベルはいました。
コンサルの転職でも学歴より「何ができるか?」が重視されるのです。
また総合系のコンサル会社が社員の募集を増やしているため、その余波によってなのか業界全体が人材不足になっており、入社の間口が広くなっていることも影響していると思います。
コスト削減の方法を具体的かつ詳細に伝えられた
書類選考、面接ともに通過できた一番の要因はこれだと思います。私は貢献できることとして物流コストの削減を強調しながら転職活動を進めました。
物流コストは運送会社に運賃の値下げを要求しなくても削減しようと思えばいくらでも出来るのです。そしてその方法は物流業界以外でも応用できます。
売上を上げるよりもコストを削減したほうが利益を出すのは簡単です。コンサルティングファームはクライアントの利益を出すことが大切です。
どのように売上を伸ばすかではなく、どのようにコストを削減するかにフォーカスしてアピールしたことが良かったのだと思います。
コネクションを持っていた
コンサルタントがどんなに素晴らしい提案をしても実行できなければ意味がありません。
コストを削減できるプランがあってもそれを引き受けてくれる協力会社が必要です。
そして物流業界はお金を払えば仕事を引き受けて貰えるとは限らない世界です。なので自分は実行まで可能なコネクションがあるということを伝えました。
強くアピールしたつもりはなかったのですがこの話は面接でかなり響きました。立案できても実行できない経験はコンサルあるあるなので納得されやすかったのだと思います。
採用側の考え方が分かっていた
私自身も人事にいたので採用は何度も担当しました。転職サイトの管理画面も知っていますし、面接官の気持ちも分かります。
採用を担当したことのある人間なら分かると思いますが9割の応募者は同じようなエントリーシートを出して、同じような面接の受け答えをします。
奇を衒ったことをする人もいますが、それもありがちなパターンで見飽きています。
なので私は変わったことはせずに話の内容だけをオリジナリティのあるものにしました。
知ったかぶりをしなかった
物流のコンサルティングというと3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)やサプライチェーン・マネジメントといった言葉が浮かぶかもしれません。
しかし当時の私はそれらの言葉の表面的な意味しか知りませんでした。OB訪問に来た大学生に聞かれてもうまく説明できていなかったのです。
なので面接で自分からそれらの話を振って突っ込まれて、しどろもどろになるとマズいと考え、それらの単語は出しませんでした。面接官から出てくることもありませんでした。
また面接官が外国のそれほど有名でない会社の名前を出したときも知らないと答えました。
後で調べたらその国の業界シェア20位にも入っていないような会社でした。知ったかぶりをする人間かどうかを確かめるためにわざと聞いたのではないかと思います。
コンサル志望の求職者は質問に対して何でも答えなければと思うかもしれません。
しかし知ったかぶりをする人間よりも、自分の無知を素直に認める人間のほうが成長しますし、一緒に働きたいと思われやすいものです。
コンサルタントには物流の出身者が少ない
コンサル業界は様々な業界の出身者がいますが物流業界の出身者は少ないです。(もともと物流業界にピカピカの経歴のエリートが少ないので当然かもしれませんが…)
このことは私の転職活動にとっては有利に働いたと思います。
特に現場も担当したことのある人間はほとんどいないのでリアルを知っている数少ない人間と評価されたと思います。
コンサルタントは「現場」という言葉が好きですが、実際に現場で手を油まみれにしたことのある人間は少ないのです。
アピールになった資格
コンサル会社に転職しようとしている人から「資格があったほうが良いですか?」と聞かれることも多いです。
担当する分野によっては弁護士や公認会計士ならアピールになることもあるでしょうが、それ以外の資格はあってもなくても同じだと思います。
そもそもコンサルティング会社で働いているような人間からすれば難関資格以外は誰でも取れるものという認識なので評価されません。
ただ私はフォークリフトやクレーン、玉掛けなど現場で使う資格を持っていたのですが、それらの資格に興味を持つ面接官はいました。
日焼けと筋肉
これは関係あるか分からないのですが、当時の私はジム通いとマラソンにハマっていたので、スーツの上からでも分かるくらいに筋肉が盛り上がり日焼けもしていました。
それを見た面接官から「現場に入り込んで仕事をしているのは見れば分かるよ」という内容のことを何度か言われました。
それと入社してから上司に「その見た目なのに体力をアピールしないところが良かったんだよ。業界未経験のコンサル志望は体力をアピールしがちだからな」と言われました。
コンサルタントにとって体力はあって当たり前のものです。それをアピールするのは「日本語を話せます」とアピールするのと同じです。余計なアピールをしなくて良かったと思います。
誤字、脱字をしない
私は意識しないと誤字や脱字、単語の統一性がない文章を書いてしまいます。
この記事でも「コンサルティングファーム」「コンサル会社」など同じ意味の違う言葉を使ってしまっています。(仕事では絶対にしませんが趣味のブログなので勘弁してください)
私が物流企業で採用を担当していたときも応募書類の誤字脱字は非常に多かったです。
コンサル会社に応募するような人間はそんなことないと思うかもしれません。しかし担当に聞くと「けっこうある」と言っていました。
応募書類の誤字や脱字は致命傷となります。よほど凄い実績でもない限りは書類で落ちます。特にコンサル業界は厳しいです。
私は自分がそのような文章を受け取ったときに自分のことは棚に上げて「この人は仕事も雑なのかな?」と不安になった経験がありました。
なのでエントリーシートなどは何度も見直してから提出しました。特にネットからの応募だとタイプミスが起きやすいので送信ボタンを押す前に少し時間を置くようにしていました。
なんちゃってコンサル会社に注意
以上がMARCH卒の私がコンサル会社に転職できた理由です。思い出したことがあれば追記したいと思います。
最後になりますが、ただの営業なのにコンサルタントという肩書を名乗らせている「なんちゃってコンサル会社」の求人も非常に多いです。そういった求人に騙されないように注意してください。