モーダルシフトとは?メリットと進まない理由も解説

物流業界におけるモーダルシフトとはトラックで運んでいる荷物を鉄道や船舶に転換することです。
これによって二酸化炭素の排出量を減らすことが可能となりますので環境への負荷を低減できます。

※旅客(人間の移動)においても自動車ではなく、電車を使うようにすることをモーダルシフトと呼びます。

モーダルシフトのメリット

モーダルシフトのメリットについて説明します。

二酸化炭素(CO2)の排出を低減できる

モーダルシフトのメリットとして最もよく言われることは環境負荷の低減です。
トラック輸送から鉄道や船舶に変えることにより、二酸化炭素(CO2)排出量を5分の1から10分の1程度まで低減することが出来ると言われています。

ドライバー不足の解消

トラックで長距離輸送を行う場合、夕積み、翌朝降ろしが基本となります。
そのため3日はドライバーが拘束されることになります。
毎回のように帰りの荷物も積めれば良いですが空荷で帰ってくると利益は非常に薄くなります。

モーダルシフトにより鉄道輸送に転換すれば、拠点までの運送で済むので長距離輸送のリスクを減らすことができます。
またドライバー不足や働きすぎの解消にもつながります。

国・行政からの補助

国土交通省は流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)に基づく「モーダルシフト等推進事業」を行っています。

これによってて、協議会の開催等の事業計画の策定に要する経費への支援やモーダルシフト及び幹線輸送の集約化について初年度の運行経費の一部に対する支援を行っています。
つまりモーダルシフトに取り組むことによって行政からの補助が受けられるということです。

荷主へのアピールになり案件を獲得しやすくなる

大手ほど企業の社会的責任(CSR)を果たそうと積極的になっています。
その一つとして環境へ配慮した経済活動が求められています。
そのためモーダルシフトによって環境負荷の少ないグリーン物流を行っているということは案件獲得の際のアピールとなります。

モーダルシフトが進まない理由とデメリット

運送会社のモーダルシフトといえば多くは鉄道への切り替えを意味します。
しかし物流に占める鉄道輸送の割合は全体の数パーセントにすぎません。
モーダルシフトが進まない理由はいくつか考えられます。

まず一つ目は運ぶことの出来る荷物が限られるということです。
運送会社が扱う荷物は多種多様ですがトラック以外で運ぶことの出来るものは以外と少ないです。
例えば建設機械などはバラせば鉄道輸送が可能ですが、完成品のままでは載せられるものは限られます。

モーダルシフトが進まないもう一つの理由としてはタイミングの指定の難しさがあります。
集荷や配達は大まかな時間指定が入ることが多いです。
自社のトラックであれば細かい調整も可能ですがモーダルシフトを行うことで鉄道会社との調整も必要になり配車が難しくなるということがあります。

また鉄道が配達先まで敷設されているわけではありませんから、そこから先の手配も必要となります。
鉄道会社が自前準備しているトラックもありますがあくまで積み下ろしをするだけです。
その他の特別な作業や確認までは行うことが出来ません。

他にもサプライチェーン全体のリードタイムが伸びることや、コンテナに合わせた形状への梱包、積み替え作業が増えることなどのデメリットもあります。
モーダルシフトはいわゆるラストワンマイルの問題が大きいのです。

これらのデメリットを考えたときにやる意味が感じられないためモーダルシフトが進まないのです。
また運送会社が今までの仕事のやり方を変えるということに億劫さを感じているということも挙げられます。

国や荷主からの働きかけが強まればもう少し進むかもしれません。