サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?分かりやすい説明
サプライチェーンマネジメントとは原材料の調達から製造、販売までの一連の流れを効率的に管理していくことです。
直訳すると「供給連鎖管理(経営)」となり、部品の調達業者から小売店までのつながりを1本の鎖のように繋げて考えるというものです。
1つの製品ができるまでには以下の事業者がかかわっています。
部品調達(サプライヤー)
製造(メーカー)
問屋(商社など)
販売店
これらの企業が情報を共有化することで効率性を上げ、無駄なコストを省こうというのがサプライチェーンマネジメントの考え方です。
サプライチェーンマネジメントの具体的なメリット
具体的なメリットとしては無駄な在庫が削減されることや、売れ筋商品が店頭に並ぶまでのリードタイムを短縮することができます。
例えばある商品が販売店で100個売れたとします。するとこの販売店は次回の注文時に問屋に少し余分に110個の注文をかける可能性が高いです。
さらにその注文を受けた問屋はメーカーに余分に120個の注文をかけるでしょう。
これらのことが何度か繰り返されるうちに本来の販売見込みよりも多い在庫を抱えてしまうことになります。
これを解消するために販売店での販売数量を全ての企業で共有することで最適な製造数を決めることが出来て無駄な在庫を抱えずに済むのです。
また売れた時点でデータが反映されるので部品調達をする企業は早い段階から生産の準備を始めることができます。
サプライチェーンマネジメントの実態
実際にサプライチェーンマネジメントを実践しようとした場合、各企業ごとの協力が不可欠です。
しかしどの企業も1社だけと取引をしているわけではありません。
複数の取引相手の中の1社とだけサプライチェーンマネジメントを実践したところで効率化には限度があります。
そのため一般的に「当社はサプラチェーンマネジメントに力を入れています」という場合、企業内の調達、製造、出荷の流れを効率化しているだけという場合がほとんどです。
なぜ物流企業が取り沙汰されるのか?
サプライチェーンマネジメントでは物流企業が取り沙汰されることが多いです。
なぜなら物流企業は部品調達から販売店までの一連のつながりの中で全ての企業と関わりがあるからです。
しかし実際の業務の中でサプライチェーンマネジメントを主導しているという物流企業はほとんどありません。
サプライチェーンを図解したときに企業同士を繋げる線が輸送の動きと同じため、物流企業が主導できるようなイメージが持たれているのです。
確かに物流企業も重要な役割を担うことは間違いありません。しかしシステム開発会社のほうが主導者としては適しているといえます。